こんにちは、アメリカ駐在経験者のよろにくです!
よろにくは前職で世界中に現地法人を持つ大手企業に勤務しており、社内公募で2年間のアメリカ駐在、帰国後は海外子会社の経営管理を行う本社部署で働いていました。
元々海外勤務志望で就活をしていたこともあり、入社以降はどうやったら海外に行けるかということを本気で考えながらお仕事に励んでいました。
そんなよろにくが、自分の経験と、帰国後の本社部署で見聞きしていた日本企業の人事の考え方についてご紹介したいと思います。
よろにくはこの会社に8年在籍しておりましたが、転職経験がある訳ではありませんので、この会社特有の考え方もあるかもしれませんが、その点はご了承ください!!
海外駐在できる職種
よろにくの働いていた会社は、駐在員の方もたくさんいましたので、様々な職種で活躍されている方がいました。
どんなジャンルでも駐在するチャンスはあると思いますが、中でも駐在されていた方に共通する特色をご紹介します!
営業職
海外拠点のクライアントが現地企業の場合、英語での営業、交渉が必須です。
これまでに培ったネットワークを武器に転職してくる営業社員もたくさんいます。
そんな中で駐在員に求められる資質は、日本本社へのレポート力です。
現地企業がクライアントである場合、当然営業社員も現地スタッフであることの方が多いです。
彼らをうまくマネージし、予算達成のために実績管理とそれを本社にレポートできることが求められます。
従って、プレーヤーよりもマネージャーレベルの方が駐在に出ることが多いと思います。
一方、クライアントが日系企業の場合は、商談に多かれ少なかれ日本語力が必要となるため、日本人であることの強みが活かされます。
とは言え、海外にも現地在住の日本人はたくさんいるため、駐在で営業プレーヤーとして派遣されるためには、本社側でのクライアントとの関係の強さを勝負に駐在に出ることができます。
日系企業の海外子会社は、多くの場合は意思決定に本社の決裁が必須とされています。
従って、営業として何かを売り込む時に、クライアントの本社担当と繋がっていたり、本社で決裁が取りやすいような提案ができることは大きな強みとなります。
営業プレーヤーとして駐在に出る場合には、海外での売上が大きいクライアントの担当を日本側で担当していると、自分を売り込む武器として使える可能性があります。
技術職
エンジニアとして駐在に出る場合には、英語の仕様書を理解・遂行できることが何よりも重要になります。
また、本社と連携するプロジェクトに関わることが多いため、適時適切な本社へのレポートができることも重要です。
トラブルが発生した場合には、オンサイトでクライアント先に出張したり、夜通し作業されている方も多かったので、そういった作業へのフレキシビリティができることも必要となります。
技術職に限らず、駐在員は一般的に、本社から派遣されていて手当も厚く、立場も現地社員よりも強いことが多いです。
そのため、現地社員が嫌がる仕事も率先してこなしていく役割も期待されています。
その点を予め理解した上で、本社で仕事をしていると海外経験のあるマネジメントの推薦を受けやすいのではと思います!
経理職
経理職の駐在員に求められる資質は何よりも、現地法人の財務状況を適時適切に報告できることです。
大きな会社では、本社の経理機能は一般的に分野別に縦割りになっている(会計グループ、連結グループ、固定資産グループなど)が多いですが、現地法人では基本的にすべて分かっていることが求められます。
従って、経理職ではマネージャークラス以上の駐在員が多く、CFO的な役割を担っている方が多いです。
特定の国への駐在希望がある場合には、その国のCPAライセンスを取得するなどすると、非常に説得力があり、駐在になりやすいと思います。
総務・人事職
総務・人事職の駐在員は、現地法人の総務・人事制度の策定や遂行、そのモニタリング、また他の駐在員や出張者の身の回りのサポートをする役割を担うことが多いです。
総務・人事職は一般的にコストセンター(売上を生まない職域)であるため、現地法人の体制がすでにしっかり整っている会社である場合にはあまり駐在員を派遣しないことも多いのではないかと思います。
もしくは、現地法人のマネジメントが兼務していることも往々にしてあります。
よろにくの所感としては、総務・人事職で海外駐在を狙っていくことはあまり得策ではないのではと思っています。
もしあなたが総合職で、海外駐在されることが働いていることの目標になるのであれば、別の職種に変更されることも検討されても良いのかなと思います。(完全に私見ですが!)
海外駐在の適性
ここまでは職種別に海外駐在員がどんな仕事をしているか、という点から駐在員に求められる資質をご紹介しました。
次はもう少し一般的に、海外駐在員に適している方の特徴をご紹介したいと思います。
英語力
どんな国であったとしても、やはり英語力は駐在員となるためには必須要件だと思います。
TOEICの点数が高ければそのまま海外で英語で仕事ができるという訳ではありません(TOEICは会話力まで測定しないため)が、本社で人事を検討する上での参考資料としては多くの会社で見られているのではないかと思います。
ネイティヴ並の会話力は不要ですが、例え文法的に間違っていたとしても、力強く自分が言いたいことを伝えようとするメンタリティは必要だと思います。
人間力
海外駐在員と言えば、やはり仕事ができる人が優先して選ばれるように思いますが、それ以上によろにくが個人的に重要だと思っているのは、いかに現地社員と良好な人間関係を構築し、現地法人に必要な人材となれるか、であると思います。
よろにくが駐在している間にも、仕事はできても現地社員に嫌われてしまい、帰国を余儀なくされてしまう方もいらっしゃいました。
前述の通り、駐在員は現地社員と同じ仕事をしていてもその待遇は異なることが多く、その事実は多かれ少なかれ現地社員の方も知っています。
そのため、表向きは普通に話していても、「お前の方が給料たくさんもらっているくせに」と思っている方も多いようです。
そういった待遇の違いを超えて良好な関係を作っていくには、やはり同僚に対してきちんとリスペクトを示し、きちんと仕事を示していけることが大切ではないかと思います。
そういった資質を持った方は現地法人に必要とされ、長く残ることができるのではないかと思います。
日系企業か、外資系企業か
最後に、どんな会社で働いていると海外駐在できやすいのかという点でよろにくの私見をご紹介します。
海外駐在員を目指す方は、英語を使って仕事をしたいという願望を持っている方が多いと思います。
しかし、英語を使って仕事をすることと、海外駐在ができることは同義ではないとよろにくは思っています。
外資系企業の社員は、日系企業の現地法人で働く現地社員と同じ役割であると思います。
つまり、欧米の企業が日本で雇った日本人を、わざわざ本国に駐在させるメリットはあまりないのではないかと思います。(本国には本国のマーケットを熟知している人材がたくさんいます)
従って、日本人として海外で働きたいのであれば、日系企業で海外人材としてアピールする方が得策ではないかと思います。
もちろん超大手のグローバル企業では、全世界人事がしっかり整備されていて、どこの国の社員にも色々な国で働く機会が提供されているという話も聞きます。
例えば、GoogleではGoogle Japanで働く日本人が、海外に引っ越すのにその国のローカルオフィスに異動できたり、Google Japanに所属したままリモートで仕事ができる、という話は聞いたことがあります。
そういった方はきっととても優秀な方だと思いますので、欧米の強者にも負けないスキルを持ち、どこの会社でもどこの国でも活躍できる人材なんだと思います。(羨ましい限りです!!)
願わくばこれから日本人も、「グローバル人材」という言葉で括る必要がないくらい世界中で活躍できる土壌ができていけば良いなと思います!
そのためにも、少しでも多くの方が海外勤務を経験し、国境に縛られない仕事の仕方を身につけられたら幸いです。
多分に私見を含んだ内容となってしまいましたが、よろにく目線での海外駐在に求められる資質をまとめてみました。
少しでも海外駐在を目指す方の参考になれば嬉しいです!