こんにちは、アメリカ移住1年生のよろにくです!
アメリカは先週独立記念日で、よろにくは1週間休みだったのでヨーロッパに旅行に行ってきました!
アメリカとはまた違った歴史の積み重ねや、文化の違いが街中の景色や人間関係の作り方からも感じられて、とても楽しい時間を過ごすことができましたよ!
旅行はその国の断片的な面しか見えませんが、その国が見せたい姿を最初に感じられるというところが面白いなと思っています。
海外で生活をすることで、本当は見せたくないところや、うまくいっていない仕組み、貧困や差別など多面的にその国のことを理解できるようになるのかなと思います。
これってなんか彼氏や彼女と同棲する過程と似ていますよね(笑)
付き合いたてでデートに出かけている時はやっぱり身だしなみや言葉遣い、接し方を綺麗に見せようと頑張って評価を上げようとしますが、時間が経ってお互いのことも分かってきて、同棲というステップを取ると、それまで何年間付き合っていても、やっぱりサプライズがあるものです!
それまで見えなかったその人の生活が丸見えになるので、驚くこともたくさんあると思いますが、その人のことを多面的に理解することで、ようやく自分の人生のパートナーとして最適かどうか判断できるようになるのかなーなんて思ったりします。
日本から見るアメリカのイメージ
さてさて、今日はちょっと固いタイトルをつけていますが、これはNetflixで見たドキュメンタリー番組のタイトルから拝借しています。
日本で生活している皆さんにとって、「アメリカ」という国はどんなイメージでしょうか?
こんなキーワードは誰しも納得感を持って頂けるのかなと思います。
よろにく自身も、この辺のキーワードはアメリカっぽいなと思います。
見せたいアメリカと見せたくないアメリカ
冒頭の下り同様に、アメリカも外に見せたいアメリカと見せたくないアメリカがあるように思います。
上のキーワードはまさに「見せたいアメリカ」そのものですよね。
では見せたくないアメリカとはどんなものでしょうか?
この2点はアメリカ社会の中で、独立以降ずーーーっと根を張っている問題です。
よろにくが見ていたNetflixの番組では、白人と黒人の差別と、その差別が生んだ貧富の差について解説していましたので、今日はこの論点についてよろにくの私見も踏まえてご紹介したいなと思います。
アメリカ開拓の歴史と不動産
世界史で勉強したことがある方はご存知の通り、アメリカという国はもともとヨーロッパからの白人移民が東海岸に移り住み、インディアンの土地を開拓しながらコミュニティを作ってきました。
土地を開拓するということは、開拓した土地が自分のものになる、ということなので、街を拓いてコミュニティを作り上げた白人は、その土地を保有していくことができます。
開拓が西に進めば進むほど、開拓を進める労働力が足りなくなるので、アフリカから黒人奴隷が連れて来られて、白人の土地で労働者として働くことになります。
アメリカという国が独立して、国として成熟するに連れて、「人間って平等だから差別はやめよう!」という公民権運動が盛り上がります。
要は黒人を奴隷扱いすることはやめて、同じアメリカ市民として過ごそうよ、ってことですね。
この発想自体は素晴らしいし、アメリカにとって必要なものだったと思います。
しかし、いざ黒人の自由が確立されたところで、その出発地点ですでに、白人社会とは比較にならないほどの差ができていて、資本主義社会の仕組みでは取り返しがつかないレベルになっていたので今日までこの貧富の差が残っているのだそうです。
その貧富の差の根源となっているのが、不動産を持つものと持たざるものの違いです。
資本主義社会における不動産の価値
皆さんは「不動産」というとどんなイメージがありますか?
日本でいうと、まだバブル経済のイメージが強い方も多いでしょうか。
富裕層が資産形成のためにたくさん持っているイメージもあると思います。
不動産というのは、ざっくり言うといわゆる土地のことです。
(その上に建つ家のことはここでは割愛しますね)
土地はなくならないし、古くもならない。そのものに動きがない資産なので不動産と言います。
この不動産の価値が資本主義の国でどうやって決まるかというと、その土地を欲しい人がどれだけいるのか、という人気投票で決まります。
その土地が欲しい人がたくさんいればいるほど、オークションのように値段が釣り上がっていくし、誰も住みたくない所であれば、値段はつきません。
もちろん場所によって人気の差はあると思いますが、アメリカという国が資本主義のもとでどんどん便利で豊かな国に成長していくと、その国の魅力=その国の土地の人気として人気が上がっていきますよね。
海外のたくさんの人が、アメリカの土地を欲しがるからです。
そうすると、もともと開拓民としてヨーロッパから来た白人は二束三文のお金と労働力で土地を獲得し、必要だからそこに住んでいたわけですが、その土地は気づけば何百万円、何千万円という価値を持つ場所に変わっていきます。
国として安定して成長が続いていく一方で、もともと土地を持っていた白人は国の成長とともに豊かな暮らしができるようになっていきましたが、もともと土地を持つことができなかった黒人は、国の成長についていくことができず、いつまでたっても貧しいまま残ってしまっているのです。
もちろん黒人でも土地を買うことはできますが、買える土地はやっぱり人気のない土地になってしまいますし、そういう土地はなかなか値段が上がらないので生活水準が上がっていきません。
こうして不動産をめぐる人種差別の仕組みが、そのまま貧富の差を生み出しているというのが、この作品の主張でした。
世代を超えてレバレッジがかかる貧富の差
現代社会では、平等な教育機会が与えられていますので、個人の努力によって、貧しい家庭に育った子どもでも高等教育を受けることができますよね。
例えば、アジア人や黒人、ヒスパニックというマイノリティでも、スタンフォード大学やハーバード大学などの超一流大学に入学する門戸は開かれています。
でも、この番組で紹介されていた面白い考察は、個人の生涯資産を以下のように計算して示しています。
個人の生涯資産=生涯年収+資産-負債
いくら稼いだか、どれだけの資産を築いたかというプラスの数字から、借金などの負債を引いた計算ですね。
この生涯資産を白人と黒人の、それぞれ超一流大学を卒業した人で比較した時に、白人はおよそ1億7000万円の手残りがあるのに対し、黒人は1700万円相当しか残らないと言うのです。
その違いは、家族や親戚の面倒を見るためにかかるコストが、貧しい家庭に育った子どもに重くのしかかってくることが原因だと紹介されています。
本人がたくさんお金を稼いでも、親戚一同が貧しければ助ける立場に回るのがやはり血縁関係ですよね。
すると、頼りにされて、自分で稼いだカネや資産を親族に分配しなければならなくなります。
過去から受け継がれるこの負の遺産が、貧富の差を生み出し、加速化しているということでした。
日本で生まれ育ってきたよろにくにとって、こういった経済構造はあまり親しみがなく、とても驚きましたが、アメリカで生活する外国人のひとりとして、こういった歴史を知ることができたことはとても勉強になりました!
もしNetflixにアカウントをお持ちでしたら、15分と短い番組でとても分かりやすいのでぜひ見てみて頂きたいですし、感想などをコメントにいただけたら嬉しいです!
世界の”今”をダイジェスト
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