FY2019 H1-Bビザがさらに狭き門になる可能性

こんにちは、H1-Bビザでアメリカに引っ越したてのよろにくです!

今日はツイッターで流れてきた以下のニュースをご紹介がてら、よろにくの感想をお伝えしたいと思います。

まずはニュース記事をご紹介します!
トランプ政権がH-1Bビザ厳格化、その手法は

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ざっくり記事の内容は?

トランプ大統領の方針は「Buy American, Hire American」という国内経済の活性化を第一目的としています。

アメリカ国産製品がたくさん売れるようにすることもさることながら、アメリカ国産製品を1番使ってくれるアメリカ人にもっと仕事を与えようと政府は躍起になっています。
従って、本来であればアメリカ人がもらえた仕事が、H1-Bビザで外国人が雇用されることによってなくなってしまう=アメリカ経済の悪影響だ!というロジックで、アメリカで働く外国人を減らそうとしています。

トランプ大統領の施策の影響として、取り上げられている内容は以下の通りです。

・書類審査が厳しくなり、追加書類の提出が増えている
・H1-Bビザ保有者の配偶者が働けなくなる可能性がある
・OPT(大卒後の就労権)がなくなるor短くなる可能性がある
・H1-Bビザ更新時に、過去の判断を考慮しなくなった
・H1-Bビザ応募者の面接回数を増やす
・FY2018ではPremium Processing制度が中止された

一項目ずつ見ていきます!

H1-Bビザ書類審査の厳格化

H1-Bビザのプロセスは、4月初旬に応募書類を提出し、まず最初に抽選があります。(定員超過の場合のみ)
この抽選には審査は含まれていません。抽選に通過して初めて、書類審査に進むことができます。

これまでは5人に1人程度が追加書類の提示を求められていたそうですが、昨年実績(FY2018)では4人に1人程度まで追加書類を求められる応募者が増えているそうです。

追加審査になる応募者の多くは、企業が提示している給与水準の低い応募者が多いそうです。
つまり、エントリーレベルの仕事に近い職種をアメリカ人に補わせようとしています。

以前には、H1-Bビザ応募条件となる給与レンジを10万ドル(約1200万円)以上に引き上げるような噂もありました。

現状このような話は出ていませんが、目的はやはり同じで、アメリカの企業から高給を引き出せるような超優秀な人材にしかビザを与えないという強硬な姿勢が分かります。

H1-Bビザ保有者の配偶者が働けなくなる可能性がある

今はH1-Bビザを持っている人の配偶者も正当にアメリカで働く権利があります。
ニューヨークやサンフランシスコなど、物価の高いエリアかつ外国人の雇用の多いグローバル企業の本社が多い都市では、いくら良い仕事でも家庭があって子どもを育てる人はシングルインカムでは生活は楽ではないので、共働きで子育てをしている方がたくさんいます。

トランプ政権はこの配偶者の就労権条項を撤廃する可能性があるようです。
せっかく一念発起してアメリカに家族で移住しても、生計が立てられないような環境に置かれてはなかなか家庭の決断は下せなくなってしまうように思います。
夫婦でそれぞれ労働ビザを取得できたら文句なしですが、それもまた難しいですよね汗。

一人で家族を支えていけるだけの収入を得る資格を持っている人ならば、労働ビザを与えても良いという、ハイレベル外国人しか残れないような仕組みを狙っているように感じます。

OPT制度の廃止か短縮

オバマ前政権下の政策で、STEM(Science, Technology, Engineering, Mathematic)政策という、優秀な理系学生をアメリカに留めるための優遇政策があります。

通常、大学を卒業した外国人は「1年間」のOPT期間をもらって、企業で働いて正規雇用に繋げるためにインターンをします。
このインターン期間に気に入ってもらえたら、正式にその企業からH1-Bビザをサポートしてもらって就職するというのが一般的な流れです。

学生はこのOPT期間が2年間と長く、H1-Bビザの手続きも2回チャレンジできるという優遇された立場にいました。
これがなくなる、もしくは短縮されるというのが今回のニュースです。

STEM以外の人はどうなるのか、という点は触れられていませんが、OPT制度が丸ごと撤廃ということになれば、外国人の就労はかなり困難になると思います。

ビザの更新に過去の判断を考慮しない

これはよろにくも3年後に更新を迎えますので、聞き捨てならないトピックです!
詳細はまだ明らかになっていませんが、おそらく過去に立とうと判断されたであろう給与水準が、更新時にどうかという点で見直され、あまり昇給せずにギリギリ水準で就労している外国人を帰してしまおうという意図ではないかと思います。

自分自身もそうですが、ビザが取れたからと言って安心していると更新で引っかかる可能性があるというのは気をつけないといけないと思います。
きちんと弁護士や雇用先と対策が必要だと感じました!

H1-Bビザ応募者の面接回数を増やす

FY2018ではPremium Processing制度が中止された

こちらはともに、時間をかけて詳細な審査をするための布石だと思いました。
バックグラウンドチェックをして、本当にアメリカ経済にプラス影響を作ることができそうな人材か、本当に他のアメリカ人ができない仕事をする資質がある人材か、ということを見定めるための時間を作りたいのだと思います。

まとめ

一般的な日系企業は採用計画を作って、その人数の採用を前提に各部署に配置や予算策定をしていることが多いと思います。
よろにくは外資の事業会社の経験はありませんので適当なことは言えませんが、きっと近い仕組みを持っていると思います。

つまり、この傾向が続くと、企業サイドが計画通りに採用できないH1-Bビザ応募者を嫌って、グリーンカード保有者や駐在員に置き換えていくことが想定されます。
すでにこの傾向は始まっているかもしれませんね。

これからH1-Bビザを目指して就職活動される方は、アメリカの就労ビザの傾向はよく注視しておいた方が良いと思います!
早くまた移民融和政策を掲げる大統領が戻ってきてほしいですね。

それでは!

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コメント

  1. […] FY2019 H1-Bビザがさらに狭き門になる可能性 […]

  2. みい より:

    よろにくさん、初めまして。渡米のビザに関して非常に問題がありましてここに辿り着きました。夫がGCホルダーのため就労ビザの家族帯同ビザが取れず…悩んだ挙句GCを放棄する条件でH1Bビザを申請。先日抽選の通過の知らせが来ました。
    ここからいくつか教えていただきたいことがあるのですが質問よろしいでしょうか?

    • yolonyc より:

      みいさん
      はじめまして、コメントいただきありがとうございます!
      GCを放棄してのH1B申請とはかなり大きな決断だったことお察しします。
      一方で抽選通過されたんですね、おめでとうございます!
      よろにくもプロではないので経験ベースのアドバイスしかできませんが、お力になれることはしますので、何でもご質問いただけたらと思います。